● 看護師の仕事 辛さを軽減させるコツ
ここでは、自分でできる家族と仕事を両方大事にするための方法について考えてみたいと思います。
以下に、取得できる育児支援制度に関して記述します。ただし、この制度は本人の申請があって初めて取得できるものです。また、所属長の許可が得られなかったり業務上多大な支障が出てしまう場合には、認められない可能性もあります。
けれども、自分が申請できる制度があるのに、知らないでいると損をします。自分から申請できるものがあるかどうか事務さんや上司に相談して権利を取得してください。
自分が勇気を出して一歩踏み出すことで、後輩も子育てがしやすい環境になっていきます。申し出にくいと感じるかもしれませんが、3歳まではお母さんと一緒に育つことが子供にとっては何よりの幸せになります。自分のためにも家族のためにも、勇気を出して頑張ってみてください。
● 育児支援を自分で申請して利用しましょう
子供が3歳になるまでの間に認められる育児支援制度の例をご紹介します。
【短時間正職員制度】
週に30時間など正職員のまま短時間勤務制度を利用することが可能です。ただし、この短時間勤務制度は本人の申請があって初めて適応される制度ですので、上司に相談してみましょう。
【早出遅出勤務(フレックスタイム制)】
一日の勤務時間はそのままで、保育園の迎えの時間に間に合うように早め出勤にして早目退出できるようにしたり、出勤を遅めにしたりといった始業時間と終業時間を自由に設定できる制度です。所属長に申請し認められれば適応されます。
ただし、短時間正職員制度とフレックスタイム制はどちらかを選択する場合がありますし、病院によっては認められる方法が限られている場合もあります。
【深夜・時間外勤務の制限】
子供が小学生になるまで、夜10時から早朝5時までの深夜勤務と時間外勤務を制限してもらうことができます。ただし、これも本人の申請がなければ適応されませんのでご注意を。
【育児休業】
育休制度は、育児休業中に離職せずに休暇という形をとり、子育てがひと段落ついた(子供が1歳の誕生日まで)後で元の病院に復帰するための制度です。この制度は育児・介護休業法で保障されている制度です。現在では男性看護師も申請すれば取得できるようになっています。
育休制度は、申請すれば1歳2か月までの延長が可能です。復帰後も短時間勤務制度夜勤の制限などを利用して子育てを支援するための制度を利用することが可能です。
● 育児休業中の給与について
育児休業中の給与は、残念ながら保障されません。そのため、育休の間の1年間は給与がない状態になります。病院によってはボーナスの金額を月に分割して寸志程度の給与を得られる場合もあります。お勤めの病院によって大きな差がありますので、ご確認ください。
● 育児休業中に得られる金銭的支援制度
【育児休業手当金】
育児中に給料が支払われない場合は、「育児休業手当金」を支給してもらうことが可能です。ただし、育児休業を開始する前に給料が11日以上支払われた月が12か月以上であることが求められます。そのため、非常勤やパート勤務の場合は適応されない可能性があります。
「出産手当」や「育児休業手当」の申請は、勤務場所を通して申請をすれば手続きの方法などについて教えてもらえます。育児休暇に入ってしまう前に事務さんに確認して必要な手続きをしてもらってください。ちなみに、支給を受けられるのは2か月に1度のようです。
【育児休業中の社会保険料の免除等】
育児休業中は給料が得られなくなりますので、国の支援制度がたくさんあります。知らないで申請をしないと損をしますので、しっかりと確認してみてください。
たとえば、「社会保険料の免除」「年金額計算の特例処置」「住民税の徴収猶予」等があります。
● 子育てのしやすい病院に転勤する
子育てになかなか理解が得られず、このままでは勤務も子育ても難しいと感じた場合は、子育てのしやすい病院に転勤する方法を選択する方もいます。
現在では経験もあり熱心に勤務するママさん看護師を貴重な労働力と高く評価し、子育て支援を全面的にサポートして優秀な看護師を集めようとする病院も増えてきました。
まず、院内に24時間365日保育が可能な保育所を完備している病院もあります。この施設があるために小さな子供がいても夜勤も可能になっており、育児中も給料の減額やスキルアップを中断することなしに勤務可能になっています。他にも学童保育まで充実させている病院もあります。こういった病院にはママさん看護師がたくさん働いています。そのため子育ての悩みや苦しみ、急に休みを取らなくてはならない事情などについてもよく理解してもらうことができるだけでなく、フォローしあえる風土があります。子育ての喜びや悩みという共通の話題もあることで、ママさん看護師の仲間とより深いきずなができています。
このような子育て支援に熱心な病院を探すなら、転職支援会社にその旨を伝え、紹介してもらうと良いでしょう。子育てに理解のある病院は、看護師を大切にしてくれる病院でもあります。院内になくても周辺に子育て支援施設がある病院もあります。そういった口コミ情報も調べてくれます。
● 一時預かり保育所を利用する
いつも利用している保育所でもインフルエンザやその他の法定伝染病が蔓延した場合には、1週間ほど休みになる場合もあります。また、その様な時に保護者自身も発症してしまうと、どうにもならなくなってしまいます。そういった場合に利用できる一時預かりの可能な保育所があります。
この一時預かり保育所にも法定伝染病にかかっている可能性がある場合や発熱している場合には受け入れられないといった制限がある場合がありますので、利用する前に確認してみてください。
さらに、発熱していてもインフルエンザなどがはやっている状態でも一時預かりが可能な施設もあります。小児科病院がそのような一時預かりも運営している場合もあります。ただし、会員制になっていたり、大変人気が高く、順番待ちになってしまったりすることもあるようです。もしかしたらお近くにそのような便利な施設もあるかもしれませんので、調べてみてください。
● 訪問系の児保育
首都圏中心ではありますが、訪問型の秒児保育もあります。主にNPO法人が運営しているようです。まだ施設が数少なく利用できるかどうかは厳しいところではありますが、近くにあれば心強いですね。
この訪問型の病児保育は、ご家庭に看護の専門知識を持った保育士が訪問してご自宅で預かるという形を取っています。病院へ行き診察をしてもらったり、お薬の管理、発熱した場合の対処等、保護者の代わりにきめ細やかな看護をしてくれます。働くお母さんのためにこのような施設が地方にもたくさんできてほしいものですね。
● お父さんに育メン指導を
やはり日本では子育てや家事の比重が女性にかかってしまいます。お互いに腹いているのに、食事作りから後片付け、掃除洗濯は全部女性がやっていませんか。女性がやって当たりまえという風潮は現代になってもなかなか払しょくできません。
「育メンパパ」がとても流行りましたが、育児に男性も参加して、子育ての喜びを共に味わえるようにするために各地で様々な取り組みがなされています。
県で「育メンパパ」になるための男のための「父子手帳」を発行している所もあります。おむつの代え方、ミルクの作り方、ママの気持ちの汲み方等、様々なことが乗っています。それだけではなく、パパのための育児研修も実施されています。
このような取り組みを利用して「パパだって子育てすると楽しい」ということを実感してもらい、どんどん家事に子育てに参加してもらいましょう。